相続した不動産の共有名義はやめるべき?共有名義のリスクを解説します!
相続した不動産をそのまま活用したい場合や、思い入れのある実家を売却したくない場合に、不動産を売却せずに相続することがあります。
代償分割は一部の相続人が多額の代償金を用意する必要があるため、共有名義での相続を考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、共有名義での相続はリスクが大きく、できるだけ避けた方が良い方法です。
今回は、不動産の共有名義とは何か、相続した不動産を共有名義にするリスクとともに解説します。
□不動産の共有名義とは
不動産の共有名義は、不動産を複数の人物で所有する方法です。
建物や土地に対して、権利を分割して共有します。
例えば、Aさん、Bさん、Cさんそれぞれに3分の1ずつ権利を分割する方法があります。
相続におけるメリットは、平等に分配できる点です。
不動産は物理的に分割することが難しいため、売却せずに分配するのが難しい資産です。
しかし、不動産の権利を割合で分配することで、遺言書や法定相続分通りに相続できます。
そのため、不動産を売却するのが難しく、換価分割のための代償金を用意できる人物がいない場合に使われます。
また、活用している不動産なら収益も権利の割合で分配できる点もメリットといえます。
今後も収益が見込める不動産であれば、共有名義のまま相続することで、今後も利益を平等に分配し続けられます。
ただし、不動産の管理費や固定資産税などの諸費用は誰がどれだけ支払うのか、明確に決めておくことが大切です。
□相続した不動産を共有名義にするリスク
権利を分配することでスムーズに相続できるように思える共有名義ですが、共有名義には2つの重大なリスクがあります。
*今後不動産を売却しにくくなる
共有名義の不動産は、不動産の売却や賃貸運用を始める際に、共有者全員の合意が必要です。
つまり、1人でも不動産の売却に反対する人がいた場合、不動産は永久に売却できません。
不動産は所有しているだけでも固定資産税や維持費、管理費用などの経費がかかるため、リスクのある方法だといえます。
*放置するほど売却しにくくなる
共有名義を解消せずに放置しておくと、共有者が亡くなった時に新たな相続が発生し、さらに共有関係が複雑になってしまいます。
相続では共有名義の権利も相続対象となるため、見知らぬ人が共有名義人になるケースも多くあります。
□まとめ
今回は、不動産の共有名義とは何か、相続した不動産を共有名義にするリスクとともに解説しました。
相続時と相続後で考え方が変わる相続人は多く、相続時には不動産を売却できる状況でも、数年経つとスムーズに売却できなくなる恐れがあります。
不動産の売却を視野に入れている場合、共有名義は避けましょう。